■機関整備

 ・・・・・・・・・ボディ提供元のフレームです・・・・・・・・。「部品取り」の言葉通り、徹底的に取りまくりました。まだ使う予定の物がありますので、作業終了まで暫くは放置です。

 
 板金ばかりしておりますと飽きてきますので、そろそろ自走できるようにシャシ周りを仕上げてゆきます。トランスミッションおよびトランスファ。清掃及び漏油点検を実施。流石に30年モノですので、このコンディションまでもっていくのは大変でした。


 シャフト類もドナーの物を使います。元のシャフトは第一軸のユニバーサルジョイントが固着し、ユニバーサルジョイントを失ったシャフトが暴れて自走不能になっていました。勿論こちらも錆落としと再塗装でリフレッシュ&グリスアップ。

 
 サスペンションも走行距離29000kmのドナー車のものを使います。というかフレーム本体以外は殆ど別のものに入れ替わります。こちらはシャシブラックを丁寧に剥離、純正の部品番号も見事に復活しました。フル純正に拘るわけではなく、フロントのみバンプラバーを8の字タイプに交換しています。SJ10や20の場合、特にノーマル車高ではこれが物凄く効いてきますので、是非お試しいただきたい改良です。

 
 ブレーキについては機能に問題のなかった元のものを使用しますが、リザーブタンクには黒いヘドロ、ホースばブヨブヨに変質しております。結局全て分解してオーバーホールを実施しました。


 これでブレーキは完全復活!因みに、この部分のホースは常時在庫しています。と、言いますか部品で注文すると一生分の長さで届きます。


 名機F8Aエンジンを搭載。これは百鬼丸に積んでいた物でも、ドナー車に積んでいた物でもなく、別のエンジンです。オイル管理バッチリ、タイミングベルト、ウオーターポンプ、ヘッドカバーガスケットにオイルプレッシャースイッチ交換。オイルパン、オイルストレーナー清掃済。

 
 吸気関連はドナー車の最終型仕様、つまりEGRつきのものを使用します。ドナー車のF8Aは水路がご覧の状態・・・・・・ですがこれはクーラントが固形化しただけで水で溶かせば錆の積層もない非常に綺麗な水路でした。しかしオイル管理は良くなかったらしく、ひとまずストック行きです。サーモもキモチワルイ状態、なおかつエイトオーナーは殆ど経験しているであろう、この部分のボルト折れも発生しています。

 
 ここのボルトは関通しておらず、下手に抜こうとするとマニホールドが割れる等、中々厄介ですが、ちゃんと抜き取ります。サーモも新品に交換しました。


 キャブレターもフルオーバーホールしました。こちらも最終モデルです。

 
 ジャット類の清掃だけでなく、各スプリングからスロットルボディまで完璧に仕上げます。よくオーバーホールしたのに不調だと聞くことがありますが、こういったリンク類やスロットルボア、バタフライのクリアランスの不具合でも十分不調を来す要因になります。

 
 マニホールドと共にエンジンに装着し、ヘッドカバーを開けて動弁系に注油しておきます。

 
 エンジンルーム内清掃と防錆、エキゾーストマニホールド遮熱板の再塗装(純正は本来黒塗装です)、その他小物の清掃やクリップ、バンド位置の再現を経てエンジンルームが生き返りました。元の状態と比べると歴然ですが、それだけの時間と手間がかかっています。ついでに点火系をフルトラ化してトラブルフリーにしておきました。


 やはりエンジンルームは美しいに限ります。トラブルの発見も早くなりますし、整備時に手が汚れないのが良いです。


 ようやく自走で作業場から出ることが出来ました。エンジンは粛々と回り、走行距離3万キロ弱でヘタリを知らない足回りは意外とソフトライドです。全てが選りすぐりの調子よい物で組んでありますので、非常に気持ちの良いフィーリングでした。車検も残っていますので、もう公道を走れますしパッと見は完成しているように見えますが・・・・・・・・・・・・そうは問屋が卸さないのが険しきエイト道です。


TOP PAGE