●SJ20V「百鬼丸」 廃車復活第二章
 
 2004年から再生しはじめ、2005年には公道復帰を果たしたSJ20Vですが、このたび新展開をむかえる事となりました。早い話がボディ換装です。

 
 ボディ修復を諦めたというと、これはヘタレ丸出しで恥ずかしい限りなのですが・・・・・現在このような状態です。ドアを開閉するだけで車内も車外もサビが舞い、ボディの粉末と塗膜片が降り積もる。まるでミキサーにでもかけたかの如く、ボディが粉になってゆきます。


 天井裏の様子。全面がサビです。

 
 平面で水の溜まるはずがない天井にも掌ほどの穴が3箇所。この他にも塗装が盛り上がっている箇所が散見されますが、触らないでおきましょう。

 
 錆びて穴が開いた〜!というハナシではなく、内骨は消滅してピラーは千切れ、現状では雨樋だけで前後が繋がっている状態。これといってどこかが特別致命傷なのではなく、全体がこの調子です。

 
 何よりも諦めた理由はボディパネルを支える柱にあたる構造部材の内面が全てザクザクである事でした。これらの腐食により天井が自重で内側に歪んでいます。構造材はじめ表面パネルも全て製作すれば復活は可能でしょうが、物凄いコストになることは目に見えています。

 
 ルームランプが写り込んでいるので解ると思いますが、こう見えても室内です。恐らく、サビをこそぎ落としてゆけばもっと悲惨な状況でしょう。鋼板の厚みは新車時の半分。
 
 
 オープンボディ化がかなり進行しています。この惨状の原因は、2度にわたる適当な補修によるものです。ジムニーの、特にSJ30以前の車両は普通の感覚で「修理」してしまうとこのような状態に陥る確率が高い。以前の修理に加えて、私の「レストアの真似事」が拍車をかけたのは明らかです。ここもルーフを支えて・・・いますが、多分屋根は簡単に取れてしまうでしょう。

 
 これ以上グロテスクな画像を掲載しても仕方ありませんが、全体がこの調子ですので、もはや誤魔化しすら通用しません。できれば元のボディを修復して生かしてやりたいところですが、塗料やボンデ板をはじめとする資材費や消費する時間を計算すると現実的にはボディ換装しかないと言う事で、廃車復活当初から長期間にわたってボディを捜し続けていました。


 このたびようやく換装用のボディを発見できましたので、いよいよボディ換装にて廃車復活第二章に突入したいと思います。久々に作業場へと搬入。新たなボディには後々登場してもらうとして、こちらの準備を進めましょう。

 
 まずはエンジン、ミッション、トランスファにプロペラシャフトといった、フレーム上の物を抜き取ります。今回は人手に頼らずにボディを換装したいので、フレームを入れ替えるような作業になります。よって高さのある部品を撤去してボディを浮かす高さを最小限に止めようという作戦です。

 
 フロント3面も撤去し、ボンネットは「雨よけ」のために装着したままで、ボディを単管ラックに載せます。と、書くのと3面バラしまでは簡単に終わりますが、ボディをこの高さまで上げるのに一苦労。

 
 フレームを引き出して、家庭用の高圧洗浄器にて掃除します。このフレームは元々はシリウスグリーンだったものです。それをフレームまで純正のイエローに全塗装していますが、その際に屋根のほぼ全週の切り貼りと床面の張替えという、中古車ギョーカイでいうところの「レストア、全塗装済み」という状態にする作業を経験しています。

 
 そして助手席側のフロントシャックルピボット付近を強打する事故を経験して廃車。これは痕跡というか痛々しいほどの修理跡が残っています。メインフレームは曲がり、クロスメンバーも大きく変形したものを根性で直してあります。走行性能に支障はありませんので、これもこのクルマの歴史として受け入れています。

 
 SJ10やSJ20のフレームは、エンジンルームやホイールハウスといった目に付く部分以外は下地のままです。よってこのように、ボディとフレームの隙間にあたる上面からサビが侵攻してきます。いくらシャシブラックを塗り重ねていても、この部分までは塗れませんので要注意です。

 
 錆び落とし後にある程度下地処理してから塗装を施しました。今度はリッチモンドグリーンのボディが載りますので、黄色の露出はもってのほか、元のシリウスグリーンでさえ許せません。

 土台の準備ができてきたところで、次いきましょう!
 
 


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