●完成

















 思えば神奈川県から引き取ってきたのが2004年、現在2011年ですので最初の廃車復活作戦から随分と時が経ちました。当時適当に仕上げた・・・仕上げたとは言えませんが・・・ボディはみるみるうちに朽ち果てました。適当な仕上げは適当な管理しか生み出しません。きちんとした板金修正を怠ってパテをコテコテに盛り、さらにそれを覆い隠すような黄色い全塗装。ションベン色の下は誤魔化しの固まりでした。
 今回は当時物のアジを残すということで、あえてラフな作業に徹している部分が多々あります。ボディ鋼板を仔細に検証すれば一旦総剥離してきちんと全塗装する必要のあるコンディションです。致命的なダメージは根本から修復してありますが、数年後にはボディをフルレストアすることになるのは間違いありません。ではその数年後にこのボディが前のボデにのようにボロボロに朽ちてしまうのか・・・それはこれからの管理次第です。
 画像では見事に隠蔽されていますが、サビが露出したままの部分はありますし傷も多数あります。しかしながらマメな洗車で塩や鉄粉を落とし、強固な膜を作るワックスをしっかり塗り込むことでサビの進行は間違いなく遅らせることが出来ます。
 そういったこまめなメンテナンスには愛情が必要ですが、その愛情をこのボディに注ぐことが出来るかどうか。愛情を注ぐには魂が宿っている必要があります。今回、純正塗装を残すことに固執したのは、その魂を抜いてしまわないこと、いつ失われてしまうかわからない張り詰めた感覚を残したい。それ故に完全に修復してしまいたいところをある意味我慢して作業してきました。

 少し補修範囲が広くなりすぎたという反省点はありますが、魂であるとか緊張感は間違いなくあると最終的な磨き上げ作業をしていて確信できましたので今回の作業は成功だったと思っています。手間も時間もかかっているのに他人から見れば凹んで傷もついているポンコツなのですが、逆にそう思ってもらえれば最高です。


 次はフルレストア。目も眩むほどの輝きを与えるのは、これから数年後のお楽しみです。

●おまけ
  
 前ボディおよび書なしフレームは取れる部品を取れるだけ取って昇天されました。


 エイトよ、これからもヨロシク!


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