ブレーキ調整の要、アジャスター。といっても、SJ30の一部までで、それからはオートアジャスターなので、需要は低いですが。これが固着していたりすると、当然調整不能に陥る。ジムニーの使われ方からして、泥や水の浸入が多いので、定期的にドラムを開けて点検、給脂する必要がある。
汚い指で指しているのがアジャスターのストッパーである。ブレーキ調整の際は、ドラムの穴からマイナスドライバーを突っ込んでアジャスターを回してシューのアタリを調整するわけですが、くるくる回ってしまったり、勝手に回って調整が狂うのを防いでいるとっても偉い部品である(ペナペナだけど)。これが調整の際に、ドライバーで突かれて外側に曲がってしまうことがある。調整してもすぐに狂ってしまうという場合、ここを見てみるのも手。アジャスターギアにしっかり噛むように曲げなおしてあげる。
アジャスターギアは、清掃してラバーグリスを塗布する。これに腐食がある場合は研磨して落としておく。フルードとは無縁の部位故、それほど神経質に研磨する必要はないが、あまりに酷い場合は交換するべきです。
ギアを挿入し、調整ネジを入れる。これは逆ネジです。ギアを回すとこのネジが出入りしてシューとのアタリを調整するわけです。ストッパーがしっかり噛んでいるのに注目。
完成。これで正確な調整ができます。ドラムブレーキが効かないとよく言われるのは古式であるからでしょうか。効くか効かないかだけでいえば、一般的なディスクブレーキと同じように効きます。要は効くまでのフィーリングや整備性、耐水性など、別の「性能」に違いがあるだけです。