●第16壊 車検準備 05年07月01日

 さて、いよいよ車検の取得に向けて本格的に作業します。といっても、レストアで最も面倒かつ精神的ダメージの大きいボディ補修はお休みなので気が楽です。磨き上げたレンズ類をユニットに装着するにあたり、アルミテープを貼り込んでリフレクターとしました。旧車乗り定番ですね。画像左右がそれぞれ作業前後ですが、点灯すると明らかに違います。更に、SJ10.20の樹脂製のランプユニットはガサガサに乾いて崩壊寸前となっているケースが多いので、補強の意味合いも強かったりします。

 
 ヘッドライトのハウジングはユニクロメートメッキですが、大抵は錆びてしまうので困りものです。今回はケース内をPOR−15で防錆してからヘッドライトを装着しました。灯火類が装着されると、表情が出てきます。特に旧いクルマはグリルデザインを顔にたとえられる事が多く、この型のジムニーも同様です。しかしフロントパネルが新品なので、私のFのような歪んだ表情ではなく、どこか落ち着いているような気がします(ココだけ見ると美人さんですね)。

 
 続きまして、ドアの修理です。上から見ると、自分の足が透けて見えます・・・・・。しかしこちらは放っておいて(最早私の手にはおえません)、上下しない窓と壊れたドアロックを修理します。私、実は窓のある鉄板ドアの修理なんてしたことがありません(汗)。色々と考えながら修理しました。窓が動かないのは上下させるレールの上を転がるローラーが、錆びて固着していたのが原因でした。清掃してグリースアップを施すと動くようになりました。ドアロックはリンクが外れていただけ、その他、落ちてしまっていたウエザーストリップを入れなおしたりしておしまいです。
 ボロ錆でどうしようもないドアなので、内張り無し。まるで「走り屋」のマシーンのようです。このドアは、何とか中古品を見つけて交換したいですね。

 
 最低限、実用できるレベルに到達するには意外と大変です。ボンネットのヒンジが固着して動きません。ピン部は動かさないで置いておくと必ず錆びて固着します。幌車でウインドゥを滅多に倒さない個体となると、かなりの確率で発生します。浸透潤滑剤をタップリ使用して、猟奇的かつ根気よくハンマーで殴り続けます。すると微妙に動き始めるので、後はひたすら動かし続け、スムーズに作動するようになったらOKです。
 ついでに、社外品だったリーフスプリングを純正品に交換しました。以前に陸運局で枚数とスパンを測られるというオソロシイ体験をしましたので、念のため交換しておくことにしました。シャックルも純正ですから、これで無問題のはず!

 
 まだまだ終わりません・・・入手当初から、このエイトにはミラーがありません。運転席側はSJ30用が車内から発掘されましたのでコレを使用するとして、反対側を手に入れなくてはなりません。ミラーはキャラクターが出る部品ですから慎重に選びたいところですが、何故かジムニー用のミラーは馬鹿みたいに値段があがります。そんなもの買うのもアホらしいので、手持ちの部品で間に合わせる事にしました。とりあえず、ドアにクランプする「ピープミラー」です。
 最終的には両方のミラーをLJ80(輸出仕様)に似た形のドアミラーに変更する予定です。余談ですが、LJ80はボディではなくドアに取り付けるタイプのミラーを採用しています(幌は左画像の位置)。

 
 ワイパーはPIAAのアダプターを介して現代的なものを装着しました。雰囲気的には当時モノが良いのですが、バネの張力が違うらしく、こちら方が拭き取り能力が高いです。ワイパーアームは沢山ストックがあるのですが、バンボディは下ワイパー、幌ボディは上ワイパーですので互換性がありません。
 リアに回ってバンパーとスペアタイヤを装着します。共にオークションで1000円くらいで手に入れました。バン用のリアバンパーは貴重です。また余談ですが、LJ80はバンにもバンパーが無いようです。しかしこのバンパーは外観上、結構バランスの取れた部品だと思います。車高が上がっているとバンパーレスでも格好よいですが、低い車高では装着されている方が良い感じです。ナンバー位置も幌より少し下のようで、バンパーを取り付けないと隙間が空き、ナンバー灯が丸見えになります。
 部品が装着されると、スクラップからだんだんクルマになってきました。ボロですが、生き返ってゆくのがわかります。


 近所のSJ10乗り、テンテンさんから頂いたフロントバンパーを装着(ウインカーリレーも頂きました。感謝!)して、いよいよ準備が整ったので、早速自賠責保険に加入して仮ナンバーを申請してきました。念願の初走行です。驚いたことに、外観はボロいですが自分のエイトと比べて非常に乗りやすいです。勿論、エンジンのパワー感はFの方が上で、Vでは調子は良いものの物足りなさを感じてしまいますが、トランスミッションやステアリングの操作感などは、自分のFに施そうと思っていた改善をフル投入しただけあって快適そのものです。どうも、タイヤが長期不動によって変形してしまっているようで、少々フロントが落ち着きませんから、ここは改善の必要があります。
 現状では全て作動するのですが、実はフロントウインカーが点灯せずに悩んでいました。電球を入れ忘れたのに気付いたのは一週間後・・・・いけませんね。更に、いよいよ車検!と意気込んだは良いのですが、何と所有者として祭り上げられた我が妹が印鑑登録を未だ未登録である事が判明。結局、私が代理で申請しておきました。その間に仮ナンバーが切れ・・・・・・・・・車検はもう少しだけ先です・・・・・・・。

今回の出費 仮ナンバー代 750円   ここまでの費用 136851円

●第17壊 車検取得 05年07月27日
 さて、印鑑登録も終了し、いよいよ中古新規登録です。仮ナンバーを取り直して車庫証明もバッチリ。振動の原因となっていたタイヤはもう一台のエイトについていたバリ山のYOKOHAMAラグ+リベット入りで丈夫なJEEP用ホイールに交換。そこで問題が発生・・・・
 この年式のエイトはウインドウウオッシャーがスポイト式なのですが、あろうことかゴムパーツに亀裂が入り、室内に水を噴射する始末。コレでは車検に通りませんので、ゴム糊を塗った上からシールテープをグルグル巻いて何とか作動するようになりました。これは後に電動化します。

 いざ検査ラインに入ると、今までになくスムースに通過してしまいました。機関部に関しては、あれだけ整備しているので当たり前かもしれませんが、嬉しい限り。
 喜んでいるのも束の間、車検証交付寸前で物言いがつきました。何と、NOxです。どうも旧車検証の記載がNOxのみで、PMに関する記載が無いのが問題になったようで、エラーが出たようです。そこで以前にクリアの経験があること、ガソリン車にPMは適応されない旨を伝え(詳しくは別項参照)、連絡標を書いてもらい無事クリア。ウズウズしながら交付を待っていると、また呼ばれてしまいました・・・・ドキドキ・・・・
 検:「8manoさん・・・・若いですね・・・コレ・・・」
 G:「ハッ!!!!」
そうなんです。未成年者が自動車を売買する際には両親の同意書が必要なのですね。そこで準備に入ります。同意書は両親の署名と実印の押印、印鑑証明の添付と続柄確認の為の戸籍謄本が必要です。この戸籍謄本に泣かされました。
 市役所にて申請しようとしたところ、大問題が発生しました。何と本籍地が東京都です。つまり東京でないと謄本が手に入りません。送付の手続きを済ませて到着を待つ間に、車庫証明が切れました。これはキッカリ一月で無効になります。ですからイチからやり直し・・・・・オマケに13ヶ月で加入した自賠責がギリギリで足りなくなります。ひと月分だけ追加すると、何と割増料金で非常に高い。

 まぁそんなこんなで無駄な時間とお金を消費しつつ、7月27日、無事ナンバーがつきました。希望ナンバーではなく、運命に任せてみました(^^)

 勿論、再生計画は終わりません。ただ、ひとつの節目を迎えたことは確かです。元々ドンガラ同然の抜け殻だったエイトが、一般公道を走ることが出来るまで、とりあえず再生されました。通常では、難しい事だと思います。私の場合、車輌を提供頂いた寺川社長をはじめ、HPを通して沢山の方々に応援して頂いたり、部品を無償で提供して頂いたり、本当に多くの協力を惜しみなく頂いてここまでこれました。皆さんのお陰で、無意味だったクズ鉄が絶大な意味を持ちました。これは紛れもなくジムニーエイトです。本当に感謝で一杯です。私は幸せな男だと言えるでしょう。もしかすると、一番幸せなのはこの錆びたエイトかもしれません。
 ここをひとつの節目として、今後は稼動しながらのボディ補修を進めてゆく予定です。・・・さて、どうなることやら・・・・・。

今回の出費 車検費用
仮ナンバー代 750円
車庫証明(2回分) 2700円×2
自動車税 9600円
リサイクル料金 3190円
自賠責保険(一ヶ月追加) 15950円+5800円
重量税 8800円
手数料等 2200円
印鑑登録証明発行 300円
テスター代 700円
合計 52690円  ここまでの出費 189541円